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糖尿病神経障害とは?手足のしびれなど症状と予防法を医師が解説

こんにちは。
緑地公園いまだ内科・糖尿病甲状腺クリニック院長の 今田 侑(いまだ たすく) です。

今回は、糖尿病の合併症のひとつである糖尿病神経障害についてお話しします。

糖尿病神経障害は、糖尿病の合併症のなかでも比較的早い時期から起こることのある合併症で、糖尿病のある方のおよそ半数が、何らかの形で経験すると言われています。ただ、早めに気づいて対応することで、症状の進行をゆるやかにできる可能性があります。

「年のせいかな」「疲れているだけかも」と見過ごされやすい症状も多いため、ぜひご自身の体の変化を振り返りながら読んでみてください。

糖尿病神経障害とは?手足のしびれなど症状と予防法を医師が解説

このような症状はありませんか?

糖尿病神経障害で最も多いのが手足のしびれや痛みです。特に足先や手先に起こりやすく、「靴下を履いているような感覚」「手袋をしているような感じ」と表現されることがあります。ピリピリとした痛みや焼けるような痛み、電気が走るような感覚が出ることもあり、夜間に症状が強くなって眠りにくくなる方もいらっしゃいます。

一方で、しびれとは逆に感覚が鈍くなることもあります。熱さや冷たさ、痛みを感じにくくなり、足に小さな傷ができていても気づかないまま過ごしてしまうことがあります。気づいたときには傷が悪化していたというケースも少なくありません。

神経障害が自律神経に及ぶと、体のさまざまな働きに影響が出ることがあります。立ち上がったときにふらっとする、胃もたれが続く、便秘や下痢を繰り返すといった症状がみられることがあります。また、汗をかきにくくなったり、反対に異常に汗をかいたりすることもあります。

排尿に関する変化も大切なサインです。尿意を感じにくくなったり、尿が出にくい、出しきれていない感じがしたり、尿の勢いが弱くなることがあります。尿を我慢できずに漏れてしまうこともあり、膀胱に尿が残りやすくなると尿路感染症のリスクが高まることもあります。これらの症状は治療で改善が期待できる場合も多いため、気になる場合は遠慮なくご相談ください。

また、自律神経障害が進行すると、低血糖の症状を感じにくくなることがあり、注意が必要です。

神経の障害がさらに進むと、筋力が低下することもあります。特に足の筋力が落ちると、つまずきやすくなったり歩きにくさを感じたりすることがあり、転倒のリスクにもつながります。

なぜ神経障害が起こるのでしょうか

高血糖の状態が続くと、神経そのものだけでなく神経に栄養を送っている細い血管が傷ついてしまいます。手足の先は心臓から遠く、もともと血流の影響を受けやすいため、症状が出やすいと考えられています。

また、高血糖によって神経の周囲に老廃物がたまったり神経を保護する構造が傷ついたりすることも、神経障害の原因のひとつとされています。

糖尿病の期間が長い方や血糖値が高い状態が続いている方では、神経障害が起こりやすい傾向があります。さらに喫煙習慣や過度の飲酒も影響すると言われています。

いつ頃から症状が出るのでしょうか

神経障害は糖尿病を発症してから数年後に現れることが多いとされていますが、個人差は非常に大きいです。糖尿病と診断された時点ですでに症状がある方もいれば、10年以上経ってから症状が出てくる方もいます。

最近足の感覚が鈍くなった気がする、夜になると足がピリピリする、靴の中に何か入っているように感じる、立ちくらみが増えたといった小さな変化があれば、一度ご相談いただくことをおすすめします。

予防と対策について

糖尿病神経障害の予防と進行抑制で最も大切なのは血糖コントロールです。一般的には HbA1c 7%未満が目標とされますが、年齢や生活背景、合併症の有無によって適切な目標は異なります。薬物療法だけでなく食事療法や運動療法を組み合わせて、無理なく続けられる治療が重要です。

また日々の足のチェックも欠かせません。入浴時や就寝前に、足の裏や指の間まで確認し、いつもと違う変化がないかを見てみましょう。足の裏は鏡を使うと確認しやすくなります。

足のケアとしては、毎日やさしく洗い、入浴後は水分をしっかり拭き取ることが大切です。乾燥しやすい方は保湿を行うとよいですが、指の間は湿気がこもりやすいため避けましょう。爪は深く切りすぎず、まっすぐ切ることを心がけてください。

運動としてウォーキングや水中運動など、足に負担の少ないものがおすすめです。運動時の靴選びも大切で、足に合った靴を選び、新しい靴は少しずつ慣らしていくようにしましょう。

喫煙は血流を悪化させ、神経障害の進行を早める可能性があります。飲酒量や食事内容についても血糖管理とあわせて見直していくことが大切です。

まとめ

糖尿病神経障害は、早期から適切に対応することで進行をゆるやかにできる合併症です。日々の血糖管理や足のケアが、将来の生活の質を守ることにつながります。

緑地公園いまだ内科・糖尿病甲状腺クリニックでは、患者さん一人ひとりの生活背景に合わせた血糖管理や、神経障害を意識した診療、足のチェックや生活指導にも力を入れています。

少しでも気になる症状があれば、「こんなこと相談していいのかな」と思わず、どうぞお気軽にご相談ください。