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腎臓病で野菜や果物はダメ?カリウム制限の新しい考え方を解説

こんにちは、緑地公園いまだ内科・糖尿病甲状腺クリニック院長の今田 侑です。

腎臓が悪いから野菜や果物を控えるよう、医師から言われたことはありませんか?

慢性腎臓病の方では、長年このような指導が一般的に行われてきました。しかし最近、食事からのカリウム摂取について、これまでとは少し違う考え方が広がってきています。

今回は、腎機能が低下している方のカリウム管理について、現在わかっていることをわかりやすくお伝えします。

腎臓病で野菜や果物はダメ?カリウム制限の新しい考え方を解説

カリウムとは

カリウムは体にとって大切なミネラルの1つです。筋肉や神経の働き、特に心臓のリズムを保つ上で重要な役割を担っています。

カリウムは主に食事から摂取されます。特に野菜、果物、いも類に多く含まれています。例えばほうれん草、トマト、バナナ、じゃがいもなどはカリウムを多く含む食品として知られています。

成人では1日におよそ2.5〜3.0g程度のカリウム摂取が推奨されており、少なすぎることも望ましくありません。

通常は、食事で摂ったうちの余分なカリウムは腎臓が尿として体の外に排泄して、血液中の濃度を一定に保っています。しかし腎臓の機能が低下すると、この排泄がうまくいかず血液中のカリウム濃度が上がることがあります。これを高カリウム血症といいます。

血清カリウム値が5.5mEq/Lを超えると注意が必要で、7.0mEq/L以上では致死的な不整脈のリスクが高まるとされています。

このため、腎臓病の方では野菜や果物を制限する指導が広く行われてきました。

最近わかってきたカリウム値の動き

近年の研究では、食事からのカリウム摂取量と血清カリウム値は必ずしも強く結びついていないことが示されています。

慢性腎臓病の患者さんを対象に、24時間蓄尿で実際の摂取量を推定した研究では、カリウム摂取量が多い群と少ない群で血清カリウム値に大きは差が見られませんでした。

また透析患者さんを対象とした大規模な研究でも、食事由来カリウム摂取量と高カリウム血症の頻度に明確な関連は示されていません。

つまり、野菜を食べたからすぐに血清カリウム値が上がるという単純な話ではない可能性があるのです。

なぜ野菜のカリウムは上がりにくいのか

その理由の一つとして、食品中のカリウムの吸収のされ方が関係していると考えられています。

カリウム錠剤では血清値が上がりやすいことが知られています。しかし、野菜や果物に含まれるカリウムは食物繊維や他の栄養素と一緒に存在しており、そのために吸収や体内での動きが異なる可能性があります。

さらに植物性食品は体内でアルカリ性に傾き、代謝性アシドーシスを改善することがあります。アシドーシスが改善すると、カリウムが細胞内に移動しやすくなり、血清カリウム値の上昇が抑えられる可能性も指摘されています。

同じ食品でも食べ方で変わる

野菜や果物をそのまま適量食べることと、ジュースで一気に摂ることは大きく異なります。

100%果汁ジュースは、コップ1杯で500mgほどのカリウムを含むことがあります。しかも食物繊維が少ないため、吸収が速くなります。

干し柿や干しブドウなどの感想果物はカリウムが濃縮されていますし、バナナも一度に何本も食べるといった極端な摂取を避けた方が良いでしょう。

減塩調味料の中には、塩化ナトリウムの代わりに塩化カリウムを含むものもあります。成分表示の確認も大切になります。

制限しすぎることの問題

野菜や果物にはビタミン、食物繊維、抗酸化物質など、体に必要な栄養素が豊富に含まれています。過度な制限は栄養不足につながることがあります。

カリウム自体にも血圧を下げる作用があります。高血圧や糖尿病を背景にもつ方にとって、野菜を極端に減らすことが必ずしもよいとは限りません。

大切なのは食べるか否かではなく、どれくらいなら安全かを見極めることです。

まとめ

慢性腎臓病におけるカリウム管理は、これまでのように一律に野菜や果物を制限する時代から、個別に評価する時代へと変わりつつあります。血清カリウム血が安定していれば、過度な制限は不要と思われますが、ジュースや濃縮食品には注意が必要です。

緑地公園いまだ内科・糖尿病甲状腺クリニックでは、慢性腎臓病や糖尿病を含め、患者さん一人ひとりの検査データと生活背景を踏まえた食事指導を行なっています。必要に応じて管理栄養士による栄養相談も可能です。

どれだけ制限すればいいかわからないと悩まず、どんなことでもお気軽にご相談ください。