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生活習慣病の方の熱中症対策とは?糖尿病や高血圧の注意点を解説
こんにちは、緑地公園いまだ内科・糖尿病甲状腺クリニック院長の今田 侑です。
暑い季節になると、熱中症対策として「水分をこまめに摂りましょう」とよく言われます。これはとても大切なことですが、糖尿病、高血圧、腎臓病、心臓病などの病気をおもちの方では、水分や塩分の摂り方に少し注意が必要です。
特に高齢の方では、暑さやのどの渇きを感じにくくなることがあります。そのため、自分では大丈夫と思っていても、気づかないうちに脱水が進んでしまうことがあります。
今回は、生活習慣病のある方が夏を安全に過ごすために、熱中症対策で気を付けたいポイントを開設いします。

熱中症とは?|暑さで体温調整がうまくいかなくなる状態です
熱中症は、暑い環境で体温調節がうまくいかなくなり、体に熱がこもったり脱水が進んだりすることで起こります。
症状としては、めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、体のだるさ、筋肉のけいれんなどがあります。さらに進行すると、意識がぼんやりする、呼びかけへの反応が悪い、自分で水分を摂れない、まっすぐ歩けないといった危険な状態になることもあります。
熱中症は日中に屋外で起こると思われがちですが、室内や夜間にも起こります。特に、エアコンを控えすぎている場合や、湿度が高く汗が蒸発しにくい環境では注意が必要です。
熱中症対策の基本|水や麦茶をこまめにとりましょう
熱中症対策でまず大切なのは、のどが渇いてからではなく、こまめに水分を摂ることです。暑い時期は汗だけでなく、皮膚や呼吸からも水分が失われます。特に高齢の方や生活習慣病のある方では、脱水に気づきにくいことがあるため、時間を決めて少しずつ水分を摂ることが大切です。
普段の水分摂取としては、水や麦茶がおすすめです。麦茶はカフェインが含まれておらず、糖分もほとんどないため、糖尿病や高血圧の方でも取り入れやすい飲み物です。起床後、外出前後、入浴前後、寝る前などは意識して水分を摂るようにしましょう。
緑茶やコーヒーなどカフェインを含む飲み物は、日常的に飲んでいる範囲で必ずしも禁止する必要はありませんが、熱中症対策としては適していません。特に水分補給をしているつもりでコーヒーばかり飲んでいる場合には、水や麦茶も組み合わせましょう。
厚生労働省の高齢者向け資料では、1日あたり1.2リットルを目安に水分補給を行うことが示されています。
糖尿病の方はスポーツドリンクの飲みすぎに注意
糖尿病の方では、熱中症対策としてスポーツドリンクを飲みすぎないよう注意が必要です。
スポーツドリンクには糖分が多く含まれているものもよく見られます。そのため、水分補給のつもりで何本も飲んでしまうと、血糖値が大きく上がってしまうことがあります。特に暑い日が続くと、毎日の習慣としてスポーツドリンクを飲んでしまう方もおられますが、糖尿病の方では注意が必要です。
また、血糖値が高い状態では尿に糖が出やすくなり、それに伴って水分も失われやすくなります。つまり糖尿病の方では、脱水と高血糖が重なって悪循環になることがあります。
汗を大量にかいた時や食事が摂れない時、脱水が心配な時には、スポーツドリンクや経口補水液が役立つ場面はありますが、糖尿病の方では日常的に大量に飲むのではなく、必要な場面を選ぶことが大切です。
高血圧の方は塩分タブレットや塩あめに注意
熱中症対策として、塩分タブレットや塩あめを使用する方もおられます。たしかに、高温環境での作業や運動など大量に汗をかいた場合には、水分だけでなく塩分やミネラルの補給が必要になることがあります。
しかし高血圧の方では塩分の摂りすぎに注意が必要です。高血圧の方では夏でも原則として減塩が必要で食塩摂取量は1日6g未満が推奨されています。特殊な環境での生活を除き、通常の食事を摂っている方では、意識的に塩分摂取を増やす必要はありません。
そのため日常生活の熱中症対策として、塩分タブレットや塩あめを習慣的になめることはおすすめしにくいです。高血圧、腎臓病、心不全のある方では、塩分の摂りすぎによって血圧が上がったり、むくみや息切れなどの症状が出る可能性があります。
熱中症対策という言葉だけで塩分を増やすのではなく、ご自身の病気や薬の内容に合わせて考えることが大切です。
熱中症を防ぐ生活の工夫|エアコンと暑さ指数も活用しましょう
熱中症対策で大事なことは、水分・ミネラル補給だけではなく、まず暑さを避けることです。
室内ではエアコンを適切に使用し、暑さを我慢しすぎないようにしましょう。特に高齢の方では暑さを感じにくいこともあり、体感だけでなく温度計を確認することも重要です。
外出はできるだけ朝や夕方の涼しい時間帯にしましょう。
また、入浴前後や就寝前、起床時は脱水になりやすいタイミングです。普段から水や麦茶を手の届きやすい場所に置いておき、少しずつ飲む習慣をつけましょう。
受診が必要なサイン
軽いめまいやだるさであれば、涼しい場所で休み、水分を摂ることで改善することもあります。
意識がぼんやりする、会話がかみ合わない、自分で水分が摂れない、吐き気や嘔吐が強い、体温が高い、ふらついて歩けないといった場合は早めに医療機関を受診してください。
普段から利尿薬を内服している方では、暑い時期に脱水やふらつきが多くなることがあります。夏場に血圧が低い、立ち上がるとふらつくなどといった場合には薬の調整が必要なこともありますので、早めの相談が大切です。
まとめ
生活習慣病のある方では、熱中症対策としてこまめな水分補給が大切です。普段の水分補給としては糖分やカフェインを含む飲み物よりも水や麦茶を中心とするのがおすすめです。
スポーツドリンクには糖分が多く含まれるものもあり、糖尿病の方では飲みすぎに注意です。塩タブレットや塩あめは高血圧、腎臓病、心不全のある方では塩分の摂りすぎにつながることもあります。食事がふだん通り摂れている方では、日常生活の熱中症対策として塩分をわざわざ追加する必要は少ないと考えられます。
まずは暑さを避け、水や麦茶をこまめに摂ることを意識しましょう。
緑地公園いまだ内科・糖尿病甲状腺クリニックでは、糖尿病、高血圧、脂質異常症、腎機能障害、慢性心不全の方に対して、季節や体調に合わせた治療の相談も行っております。夏場の血糖値の乱れ、血圧低下、脱水、薬の飲み方に不安がある方はお気軽にご相談ください。
