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バセドウ病治療薬「メルカゾール」の副作用と注意点を医師が解説

こんにちは、緑地公園いまだ内科・糖尿病甲状腺クリニック院長の今田 侑(いまだ たすく)です。
バセドウ病の治療で使用されるメルカゾール®(チアマゾール)は、バセドウ病に対して使用されます。内服で甲状腺ホルモンの過剰な産生を抑えることができ、多くの方にとって治療の第一選択となる薬です。

十分な効果がある一方で、どのような薬も副作用とは切り離せません。大切なことはどのような副作用があり、どう対応すれば安全に使用できるかを知っておくことだと思います。

今回は、メルカゾール®の副作用と気をつけたいポイントについてわかりやすく解説します。

バセドウ病治療薬「メルカゾール」の副作用と注意点を医師が解説

メルカゾール®とは

メルカゾール®は甲状腺ホルモンの合成を抑える抗甲状腺薬です。
バセドウ病などで甲状腺ホルモンが過剰になることで生じる動悸、体重減少、発汗過多、手の震えなどの症状を改善していきます。
十分な効果が出るまでには2〜3ヶ月ほど時間が必要ですが、多くの方がこの治療でコントロール可能になります。

比較的よく見られる副作用

もっとも多い副作用は、皮膚の痒みや発疹です。治療開始から数週間以内に出現することが多く、軽いものであれば内服を継続しながら対応できる場合もあります。症状が強い場合には減量や薬の変更を検討します。
軽度の肝機能異常が血液検査で見つかることもあります。多くの場合は一時的で改善することがほとんどです。

注意が必要な副作用

もっとも重要な副作用が無顆粒球症です。これは白血球の一部である好中球が著しく減少する状態で、重い感染症を起こす危険性があります。頻度は高くありませんが、発症すると重症化する可能性があります。治療期間に関わらず注意は必要ですが、多くは治療開始から3ヶ月以内に起こるとされています。

特に注意が必要な症状は、突然の高熱や強いのどの痛みです。風邪のように思えても、自己判断で内服を続けず、いったん中止してすぐに医療機関へ連絡してください。早期対応が何よりも大切です。

治療開始直後の注意点

メルカゾール®を開始した直後は、症状も改善しやすいのですが、副作用が起こりやすい時期でもあります。特に治療開始から最初の2〜3ヶ月が重要で、当院では通常、開始後2週間前後で一度血液検査を行い、その後もしばらくは短い間隔での診察を行なっています。

これは、甲状腺ホルモンの変化を確認するためだけでなく、白血球数や肝機能に異常が出ていないかを早期にチェックする意味合いもあります。症状がなくても血液検査で気づける変化もあるので、最初の数回の通院は大変ですが、とても大切なのです。

薬が使えない場合の治療選択

重い副作用が出た場合や体質的に薬が合わない場合には、抗甲状腺薬を継続できないことがあります。その場合には、治療の選択肢として手術や放射線治療を検討します。

いずれの治療も甲状腺の働きを大きく低下させる治療です。その結果ホルモン過剰の状態は改善しますが、多くの場合は逆に甲状腺機能低下症になります。そのため、治療後は甲状腺ホルモンを補うためにチラーヂン®の内服が必要になります。これは不足したホルモンを補充する治療なので、適切に調整すれば安定した状態を保つことができます。
薬が使えなくなったとしても、治療の選択肢がなくなるわけではありません。患者さん一人ひとりの状況に応じて最も適した方法を選択していきます。

妊娠との関係

メルカゾール®の使用は妊娠初期には注意が必要です。妊娠を希望されている方や可能性のある方は、治療開始前や治療中に必ずご相談ください。
状況に応じて薬の種類や治療方針を調整します。

まとめ

メルカゾール®はバセドウ病の治療において非常に重要な薬です。副作用が全くないわけではありませんが、多くの方は安全に治療を継続することができます。

特に治療開始から2〜3ヶ月は副作用がでやすい時期なので、開始後2週間前後の診察や定期的な血液検査が重要です。ただし、治療開始から3ヶ月を過ぎれば完全に安心というわけではありません。頻度は高くありませんが、治療期間に関わらず無顆粒球症などは起こる可能性はあるため、発熱や喉の痛みなどの症状には注意が必要です。

万が一、メルカゾール®が使えなくなった場合でも、その後のホルモン補充療法は必要になりますが、手術や放射線治療といった選択肢があります。
緑地公園いまだ内科・糖尿病甲状腺クリニックでは、治療開始初期には短い間隔で丁寧な診察を行い、その後も定期的な血液検査を行いながら長期的にフォローしていきます。副作用の早期発見だけでなく、将来の治療選択も含めて一緒に考えていきましょう。

きになる症状や治療についての疑問などあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。