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健診で血糖値やHbA1cが高い方へ|糖尿病の早期対応を医師が解説
こんにちは、緑地公園いまだ内科・糖尿病甲状腺クリニック院長の今田 侑です。
糖尿病は初期にはほとんど症状がありません。
典型的には喉が乾く、尿の回数が増える、体がだるいといった症状はありますが、このような症状が出た時にはすでに血糖値が高い状態になっていることが多いです。
糖尿病は静かに進み、放っておくと確実に体へ影響を及ぼします。
だからこそ大切なのが早期発見と早期治療なのです。

なぜ早期治療が重要なのか
血糖値が高い状態が続くと全身の血管が少しずつ傷つきます。
とくに細い血管はダメージを受けやすく、目・腎臓・神経といった重要な臓器に影響が出ます。
さらに大きな血管でも動脈硬化が進みやすく、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。
大規模な臨床研究では、早い段階からしっかり血糖を管理することによるメリットが示されています。例えばUKPDSという1998年に発表されたイギリスの研究では、HbA1cを1%下げるだけで合併症リスクが大きく低下することが報告されています。
さらに追跡調査によってレガシー効果と呼ばれる重要な現象が確認されました。若いうちあるいは診断早期に良好な血糖管理が行われた人では、その後の血糖値が同程度になっても心血管イベントや死亡リスクが長期に渡り低いままであったという結果です。
つまり早く整えた血糖管理は将来まで効き続けるのです。
早期に防げる合併症
糖尿病の合併症は大きく分けて2つあります。
1つは細い血管の障害です。糖尿病網膜症は目の障害で、視力低下や失明の原因になります。糖尿病腎症は進行すると透析が必要になることがあります。糖尿病神経障害では足のしびれや感覚低下が起こり、重症化すると足壊疽や切断につながることもあります。
もう1つは大きな血管の障害です。糖尿病のある方は心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高いことが知られています。
しかし早い段階から血糖を安定させることで、これら合併症のリスクを下げることができます。
早期なら治療の負担も軽くなります
糖尿病の初期や予備群の段階では、生活習慣の見直しだけで改善することも少なくありません。
体重を5〜10%減らすだけでも血糖は大きく改善します。
食事の内容を整え、適度な運動を習慣化することで、薬を使わずにコントロールできる場合もあります。
一方で発見が遅れてしまうと、膵臓のインスリンを分泌する力が少しずつ低下していきます。
2型糖尿病は、はじめはインスリンの効きにくさが中心ですが、高血糖の状態が長く続くことで、次第に膵臓のβ細胞が疲弊し、インスリンを十分に分泌できなくなっていきます。
この段階になると、生活習慣の改善や内服薬だけでは血糖コントロールが難しくなり、インスリン注射による治療が必要になることがあります。
健診でHbA1cが高いと言われた方へ
健康診断で血糖値やHbA1cが少し高めと言われて不安に感じている方もいらっしゃると思います。
糖尿病の診断基準はHbA1c6.5%以上ですが、健康診断ではそれより低い段階でも要注意と指摘されることがあります。糖尿病はある日突然始まるのではなく、何年もかけて少しずつ進行する病気なので、早い段階で異常に気づくことが大切だからです。
もしこの段階をそのまま放置すると、膵臓のインスリン分泌能は徐々に低下していきます。実際に2型糖尿病と診断された時点ですでに膵β細胞の機能が半分程度まで低下している可能性があることが報告されています。
そのため、健診でHbA1c高値を指摘された場合には、一度医療機関で評価しておくことをおすすめします。血糖値やHbA1cの再検査に加えて、必要に応じて75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行うことで状態を正確に判断することができます。
まとめ
糖尿病は早い段階で見つけて適切に対応することで将来の合併症リスクを大きく減らせる病気です。多くの研究でも、診断早期から血糖コントロールを整えることが、長期的な健康につながることが示されています。
また糖尿病はゆっくり進行する病気であり、高血糖の状態が続くとインスリン分泌能力も徐々に低下していきます。だからこそ、健康診断で血糖値やHbA1cの高さを指摘された時点で一度きちんと評価しておくことが大切です。
緑地公園いまだ内科・糖尿病甲状腺クリニックでは、血糖値の評価や合併症のチェックを行いながら、一人ひとりの状態に合わせた治療や生活習慣のサポートを行なっています。健診で気になる数値を指摘された方、家族に糖尿病の患者さんがおられる方、少しでも不安に感じている方はどうぞお気軽にご相談ください。
