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糖尿病の予防法を専門医が解説|今日から始める食事・運動・生活習慣
2型糖尿病の多くは、食事・運動・体重・睡眠といった毎日の生活習慣を見直すことで、発症を予防したり、発症を遅らせたりできるとされています。大切なのは、すべてを一度に完璧にこなそうとするのではなく、影響の大きいところから「続けられること」を1〜2個選んで始めることです。
この記事では、次の3点を学会や公的機関の情報をもとに整理してお伝えします。
- 2型糖尿病が予防できる理由と、まず何から取り組むべきかの優先順位
- 食事・運動・体重・睡眠など、項目ごとの具体的な実践ポイント
- 健診で「血糖値が高め」「予備群」と言われたとき、家族歴があるときの注意点
健康診断の結果を見て不安になった方が、今日から迷わず一歩を踏み出せるよう、予防の全体像を先にお示しします。なお、本記事で紹介する数値や目安は一般的なものであり、実際の判断は体質・持病・服用中の薬などによって一人ひとり異なります。気になる数値がある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
そもそも糖尿病(2型)はなぜ予防できるのか
2型糖尿病が予防の対象になるのは、その発症の背景に「食べ過ぎ」「運動不足」「内臓脂肪の蓄積」といった、生活習慣で変えられる要素が大きく関わっているからです。血糖を下げるホルモンであるインスリンの効きが悪くなり、血糖値が高い状態が続くことで発症へと進みますが、その効きは生活習慣の見直しによって改善が期待できます。だからこそ、予防や発症の先送りが可能とされているのです。
生活習慣が背景にあるということは、逆に言えば「今日からの選択」で流れを変えられるということでもあります。まずは、糖尿病がどのような仕組みで進むのかを押さえておきましょう。

2型糖尿病と「インスリン抵抗性」の関係
食事でとった糖は、血液を通じて全身に運ばれ、インスリンというホルモンのはたらきで細胞に取り込まれてエネルギーになります。ところが、食べ過ぎや運動不足、内臓脂肪の蓄積が続くと、このインスリンが十分に効かなくなっていきます。
インスリンの効きが悪くなった状態を「インスリン抵抗性」と呼びます。効きが悪い分をカバーしようとインスリンが多く出続け、それでも追いつかなくなると、血糖値が高い状態が続くようになります。この積み重ねが、2型糖尿病の発症につながっていきます。
つまり、食事・運動・体重の見直しは、いずれもこの「インスリンの効きを取り戻す」ことを目指した取り組みだと理解すると、一つひとつの対策の意味がつかみやすくなります。
1型糖尿病との違い(予防の対象になるのはどちら?)
糖尿病には大きく分けて1型と2型があります。生活習慣の見直しで予防を考えられるのは、主に2型糖尿病です。
1型糖尿病は、インスリンをつくる膵臓の細胞が壊れてしまうことなどで起こるタイプで、生活習慣が主な原因ではありません。そのため、食事や運動で予防するという話の対象からは外れます。本記事で「予防」として扱うのは、生活習慣が深く関わる2型糖尿病である、と整理しておいてください。
【専門医の優先順位】予防はこの順で取り組むのが効率的
予防に取り組むうえで最も避けたいのは、「あれもこれも」と一度に始めて続かなくなることです。予防効果を得るには継続が何より大切なため、影響の大きい「食事」と「体重(内臓脂肪)」から着手し、そこに「運動」を重ね、さらに「睡眠・ストレス」「節酒・禁煙」へと広げていく順番が、無理なく続けやすいと考えられます。まずは優先度の高いところに絞ることが、結果的に近道になります。
実際にも、生活習慣をすべて同時に変えようとすると負担が大きく、途中でやめてしまいがちです。そこで、影響が大きく取り組みやすいものから1〜2個に絞って習慣にし、それが定着してから次を足していく進め方が現実的とされています。完璧を目指すより、「小さくても続く」ことを優先しましょう。

まず「食べ過ぎ」と「内臓脂肪」から見直す理由
食事と体重を最優先にするのは、どちらもインスリン抵抗性に直接関わるからです。食べ過ぎは血糖を上げやすく、余ったエネルギーは内臓脂肪としてたまります。そして内臓脂肪が増えると、インスリンの効きをさらに悪くする物質が出やすくなるとされています。
この2つは互いに悪循環をつくりやすい一方で、見直せば改善の波及効果も大きい部分です。食事を整えて内臓脂肪が減ると、インスリンの効きが戻り、血糖値も安定しやすくなります。予防の「土台」として、まずここから手をつける価値があります。
「全部やる」より「続けられる1〜2個」を選ぶ
やる気があるときほど、食事も運動も睡眠も一気に変えたくなるものです。しかし、生活を大きく変えるほど負担は増え、長続きしにくくなります。
そこでおすすめしたいのが、「今の自分でも続けられそうなこと」を1〜2個だけ選ぶやり方です。たとえば「甘い飲み物を水やお茶に替える」「夕食で野菜から食べる」といった具体的で小さな行動から始めると、無理なく習慣になりやすくなります。一つ定着したら次を足す——この積み重ねが、予防では確実な方法です。
食事で予防する|量・順番・食物繊維・間食と飲料
食事での予防は、「食べる量を整える」「食物繊維を増やす」「食べる順番を工夫する」「間食や飲み物の糖分に気をつける」の4つが柱になります。特別な食品を足すよりも、日々の食べ方を少しずつ整えることが、食後の血糖の急な上昇をゆるやかにし、適正体重の維持につながるとされています。ここでは、今日から実践できるポイントを具体的に見ていきます。
食べ過ぎを防ぐ「腹八分目」と規則正しい食事
糖尿病情報センターによれば、糖尿病の食事で基本となるのは、特定の食品を禁止することではなく、適量をバランスよく、規則正しくとることです。同センターは、腹八分目を心がけ、決まった時間に食事をとり、ゆっくりよく噛んで食べることなどをすすめています。
早食いや夜遅い時間の食事、まとめ食いは、血糖値を上げやすく体重増加にもつながりやすいとされています。まずは「よく噛んで、腹八分目で箸を置く」ことを意識するだけでも、食べ過ぎの予防に役立ちます。
食物繊維を増やす(1日の目安と多い食品)
厚生労働省 e-ヘルスネットによれば、糖尿病の食事では、野菜・全粒穀物・豆類・きのこ・海藻など食物繊維の多い食品を積極的にとることがすすめられています 。食物繊維には、食後の血糖値の上昇をゆるやかにするはたらきが期待できるとされています。
摂取量の目安としては、1日あたりおおよそ20g以上を意識するとよいでしょう。毎食に野菜を一品加える、主食を白米だけでなく麦や雑穀を混ぜたものにする、といった工夫で、無理なく食物繊維を増やしやすくなります。
「食べる順番」で血糖の上がり方をゆるやかに
食べる順番を工夫することも、食後の血糖の急な上昇をやわらげる方法として知られています。具体的には、野菜やきのこ、海藻など食物繊維の多い副菜を先に食べ、ごはんやパンなどの主食を後にする食べ方です。
食物繊維を先にとることで、その後の糖の吸収がゆるやかになると考えられています。効果には個人差があり、これだけで血糖値が下がると断定できるものではありませんが、無理なく取り入れられる工夫の一つとして役立ちます。
見落としがちな間食・甘い飲み物の糖分
食事に気をつけていても、意外と見落としがちなのが間食と飲み物の糖分です。ジュースや加糖のコーヒー飲料、清涼飲料などには糖分が多く含まれるものがあり、こまめに飲むうちに一日の糖分が積み重なってしまいます。
実践しやすい方法としておすすめしたいのは、まず飲み物を見直すことです。甘い飲み物を水・お茶・無糖の飲料に置き換えるだけでも、余分な糖分を無理なく減らせます。間食も、量を決める・回数を減らす・果物やヨーグルトなどに替えるといった工夫で調整しやすくなります。「食事は気をつけているのに数値が改善しない」という場合、飲み物が盲点になっていないか振り返ってみましょう。
見直したい飲み物と間食、置き換えの工夫
| 見直したいもの | 置き換えと工夫 |
|---|---|
| ジュース、加糖のコーヒー飲料、清涼飲料などの甘い飲み物 | 水・お茶・無糖の飲料に替える |
| だらだら食べる間食 | 間食は量と回数を決める、果物やヨーグルトに替える |
運動で予防する|有酸素運動と筋トレの組み合わせ
運動は、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせると、予防効果が高まりやすいとされています。有酸素運動は血糖を消費してインスリンの効きを助け、筋力トレーニングは糖を取り込む筋肉量の維持に役立つためです。まとまった運動が難しい場合でも、日常の中で体を動かす量を増やすことに意味があります。無理なく続けられる形で取り入れていきましょう。
有酸素運動の目安(ウォーキングなど)
ウォーキングや軽いジョギング、自転車などの有酸素運動は、血糖を消費し、インスリンの効きを助けることが期待できます。目安としては、1回20〜30分程度の運動を、週に合計150分ほど行うことが一般的にすすめられています。
いきなり長時間や高い強度を目指す必要はありません。まずは「一駅分歩く」「昼休みに10分歩く」といった、続けやすい形から始めるとよいでしょう。少し息がはずむ程度の強さが目安です。
筋力トレーニングを加えるとよい理由
有酸素運動に加えて筋力トレーニングを取り入れると、予防の観点でより効果的とされています。筋肉は血液中の糖を取り込む大きな受け皿であり、筋肉量を保つことがインスリンの効きの維持につながると考えられているためです。
特別な器具は必要ありません。スクワットや、いすを使った立ち座り運動、かかとの上げ下げなど、自宅でできる簡単な運動で十分です。週に2〜3回、無理のない回数から始めてみましょう。
運動が苦手な人の「日常活動量」の増やし方
「運動の時間がなかなか取れない」という方も、あきらめる必要はありません。まとまった運動の代わりに、日常の活動量を増やすことでも予防に役立つとされています。
普段の生活で、特に意識したいのが「座りっぱなしの時間」を減らすことです。長時間同じ姿勢で座り続けると血糖が上がりやすいとされるため、30分から1時間に一度は立ち上がって少し歩く、といった小さな工夫が役立ちます。エレベーターより階段を使う、近い距離は歩く、こまめに家事で体を動かすなど、生活の中で動く機会を積み重ねていきましょう。
適正体重と内臓脂肪を管理する
適正体重の維持と内臓脂肪の管理は、糖尿病予防の土台となる取り組みです。内臓脂肪が減るとインスリンの効きが改善し、発症リスクの低下が期待できるとされているためです。ただし、極端な減量は続きにくく、体調を崩す原因にもなります。無理のない範囲で、ゆるやかに体重を見直していくことが大切です。
なぜ内臓脂肪を減らすと予防につながるのか
内臓脂肪は、おなかの内側、内臓のまわりにつく脂肪です。この内臓脂肪が増えると、インスリンの効きを悪くする物質が出やすくなり、血糖値が上がりやすい状態を招くとされています。
裏を返せば、内臓脂肪を減らすことは、インスリンの効きを取り戻すことに直結します。体重計の数字だけでなく、おなかまわりの変化にも目を向けると、予防の手応えを感じやすくなります。
無理のない減量目標の立て方
減量というと大きな目標を立てがちですが、予防の観点では、極端に体重を落とす必要はありません。一般に、現在の体重の3〜5%程度をゆるやかに減らすだけでも、血糖やインスリンの効きに良い変化が期待できるとされています。
たとえば体重70kgの方であれば、2〜3kg程度が当面の目安になります。数か月かけて少しずつ達成する現実的な目標を立て、食事と運動の見直しで着実に近づけていくことが、リバウンドを避けながら続けるコツです。
睡眠・ストレス・節酒・禁煙|生活全体で守る
糖尿病の予防は、食事や運動だけでなく、睡眠・ストレス・お酒・たばことのつき合い方まで含めた「生活全体」で考えることが大切です。睡眠不足や強いストレス、過剰な飲酒、喫煙は、いずれも血糖のコントロールを乱したり、インスリンの効きを悪くしたりする方向にはたらくとされています。ここまでの対策と合わせて、生活リズム全体を整えていきましょう。
睡眠不足・ストレスと血糖の関係
睡眠不足が続いたり、強いストレスがかかったりすると、血糖を上げる方向のホルモンが増え、血糖のコントロールが乱れやすくなるとされています。寝不足のときに食欲が増したり、甘いものが欲しくなったりするのも、こうした変化が関係していると考えられています。
まずは、就寝・起床の時間をなるべく一定にし、十分な睡眠時間を確保することが基本です。ストレスについても、軽い運動や趣味の時間などで上手に発散する習慣を持つことが、間接的に予防を支えてくれます。
お酒との付き合い方(適量・休肝日)
お酒は、飲み過ぎると肥満や血糖コントロールの乱れにつながりやすく、予防の観点では注意が必要です。適量を守り、飲まない日(休肝日)を設けることが大切とされています。
「適量」は個人差がありますが、だらだらと長時間飲む、毎日欠かさず飲むといった習慣は見直したいところです。おつまみの選び方にも気を配り、揚げ物や甘い味付けのものに偏らないようにすると、体重管理の面でも役立ちます。
禁煙が予防に効果的とされる理由
喫煙は、インスリンの効きを悪くし、2型糖尿病の発症リスクを高めるとされています。血管にも負担をかけるため、将来の合併症を防ぐ観点からも、たばこは予防の大きなリスク要因です。
禁煙は、糖尿病の予防だけでなく、心臓や血管の病気、多くのがんの予防にもつながります。自力での禁煙が難しい場合は、禁煙外来など専門的なサポートを利用する方法もあります。
健診で「血糖値が高め」「予備群」と言われたら
健康診断で「血糖値が高め」「予備群」と指摘されたときは、心配になりすぎる必要はありませんが、放置しないことが大切です。糖尿病情報センターによれば、この段階は「まだ糖尿病ではないものの、正常より血糖が高い状態」であり、生活改善によって発症を防いだり遅らせたりできる可能性がある、いわば見直しのチャンスの時期とされています 。ここでは、予備群の意味と、見ておきたい数値を整理します。
「境界型・予備群」とはどんな状態か
「境界型」や「予備群」とは、血糖値が正常より高いものの、糖尿病と診断される基準には達していない状態を指します。自覚症状はほとんどないことが多いのが特徴です。
ただし、糖尿病情報センターによれば、症状がなくてもこの段階から体の中では変化が始まっており、動脈硬化などが進みやすくなるとも指摘されています 。「まだ大丈夫」と考えて放置するのではなく、生活を見直す合図として前向きに受け止めることが大切です。
健診で見ておきたい数値(HbA1c・空腹時血糖の目安)
健診結果では、空腹時血糖値とHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー:過去1〜2か月の血糖の状態を反映する指標)を確認しておくとよいでしょう。おおまかな目安は次のとおりですが、実際の診断は複数の検査を組み合わせて医療機関で行われます。
正常型・境界型 予備群・糖尿病型のおおまかな目安
| 区分 | 空腹時血糖 | HbA1c |
|---|---|---|
| 正常型 | 空腹時血糖110mg/dL未満 | HbA1cは基準範囲内 |
| 境界型・予備群 | 空腹時血糖110〜125mg/dL | HbA1c 6.5%未満 |
| 糖尿病型 | 空腹時血糖126mg/dL以上 | HbA1c 6.5%以上 |
※これは一般的な目安です。確定診断は必ず医療機関で行いましょう。
これらはあくまで目安です。空腹時血糖が110〜125mg/dLの範囲は境界型(予備群)とされ、126mg/dL以上、またはHbA1cが6.5%以上の場合は糖尿病型の判定に用いられます 。数値が基準に近い、あるいは超えている場合は、自己判断せず医療機関で詳しく調べてもらいましょう。
予備群の段階で生活改善が大切な理由
予備群の段階は、生活改善の効果が特に期待できる時期とされています。糖尿病情報センターも、食事・運動・減量といった生活習慣の見直しによって、糖尿病への進行を防げる可能性があると紹介しています 。
「予備群」と言われると不安になるかもしれませんが、それは体からの早めのサインであり、行動を起こせば流れを変えられる段階でもあります。ここまで紹介してきた食事・運動・体重管理を、できることから始めていきましょう。
家族歴・遺伝がある人が気をつけたいこと
親やきょうだいに糖尿病の人がいる場合、そうでない人に比べて発症リスクが高くなる傾向があるとされています。ただし、これは「発症が決まっている」という意味ではありません。体質は受け継がれても、発症するかどうかには生活習慣が大きく関わるため、家族歴がある人こそ、早めの予防が実を結びやすいと考えられます。
家族歴があると発症リスクが上がるとされる理由
家族歴があると発症リスクが高まるとされるのは、糖尿病になりやすい体質が遺伝的に受け継がれることがあるためです。とはいえ、体質そのものだけで発症が決まるわけではなく、食事・運動・体重といった環境要因が組み合わさって発症へと進むと考えられています。
つまり、遺伝的な体質は変えられなくても、生活習慣は変えられます。「家族が糖尿病だから」と過度に不安になるより、変えられる部分に目を向けることが大切です。
家族歴がある人が早めにやっておきたいこと
家族歴がある方に特にすすめたいのは、定期的に健診を受け、血糖値やHbA1cの数値を継続して確認しておくことです。変化に早く気づければ、早めに手を打てます。
「親が糖尿病だから、自分もいずれは」とあきらめてしまう方もいますが、それは避けたい考え方です。むしろ家族歴がある人ほど、生活習慣を見直す予防の効果が大きいとも言えます。若いうちから食事・運動・体重を意識し、リスクが高いことを「早く動くきっかけ」として前向きにとらえていきましょう。
よくある質問(FAQ)
糖尿病の予防についてよく寄せられる質問に、簡潔にお答えします。いずれも一般的な内容であり、個別の判断は医療機関にご相談ください。
Q.サプリや特定の食品で糖尿病は予防できますか?
特定のサプリメントや食品だけで糖尿病を予防できると断定することはできません。予防の基本は、あくまで食事・運動・体重管理などの生活習慣の見直しです。「これを摂れば大丈夫」といった断定的な情報には注意し、まずは日々の食べ方や活動量を整えることを優先しましょう。気になる製品がある場合は、取り入れる前に医師や薬剤師に相談すると安心です。
Q.糖尿病は何歳から気をつけるべきですか?
年齢にかかわらず、生活習慣の見直しはいつからでも意味があります。特に、体重が増えてきた中高年の方や、家族歴がある方は、早めに意識しておくとよいでしょう。近年は若い世代での発症も知られており、「まだ若いから大丈夫」と考えず、健診の数値を確認する習慣を持つことが予防につながります。
Q.健診で「要経過観察」となった場合、どのタイミングで医療機関を受診すべきですか?
「要経過観察」は、すぐに治療が必要ではないものの、変化に注意しておくべき状態を示すことが多い区分です。まずは健診結果に記載された指示や次回の確認時期の目安に従い、生活習慣を見直しましょう。そのうえで、数値が基準を超えている、これまでより悪化している、のどの渇きや体重減少などの症状がある、といった場合は、指定の時期を待たずに糖尿病内科などへ相談することをおすすめします。判断に迷うときも、自己判断で放置せず一度受診しておくと安心です。
Q.自覚症状がなくても予防は必要ですか?
はい、自覚症状がなくても予防は大切です。糖尿病や予備群は、初期には症状がほとんど出ないことが多く、気づかないうちに進行することがあります。だからこそ、症状の有無にかかわらず、健診による早期発見と、日ごろの生活習慣の見直しが重要になります。
まとめ|できることから始め、気になる数値は専門医へ
2型糖尿病の予防は、食事・運動・体重・睡眠などの生活習慣を見直すことで、発症を防いだり遅らせたりできるとされています。大切なのは、すべてを一度に変えようとせず、影響の大きい食事と体重から、続けられることを1〜2個選んで習慣にしていくことです。
そして、健診で「血糖値が高め」「予備群」「要経過観察」などと指摘されたときは、放置せず、生活の見直しの合図として前向きに受け止めましょう。数値が気になる、どこから手をつければよいか分からないというときは、自己判断で先延ばしにせず、糖尿病内科などの専門医に相談することが、安心につながる確実な一歩です。
参考文献
厚生労働省「みんなで知ろう!からだのこと(生活習慣病・糖尿病予防)」
監修者情報
緑地公園いまだ内科・糖尿病甲状腺クリニック 院長
今田 侑
TASUKU IMADA
専門分野
- 糖尿病・高血圧症・脂質異常症などの生活習慣病
- 内分泌疾患(甲状腺・副腎・下垂体・性線)
- 肥満治療
- 総合内科診療
- 救急疾患
経歴
- 甲陽学院高等学校 卒業
- 大阪大学医学部医学科 卒業
- 関西労災病院 初期研修
- 関西労災病院 糖尿病内科・救急救命科
- 大阪大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・代謝内科
- 大阪大学大学院医学系研究科 内分泌代謝内科学 博士課程修了
- 関西労災病院 内科医長
- いまだ内科クリニック開院
所属学会・資格等
- 医学博士(大阪大学)
- 日本内科学会 総合内科専門医・内科指導医
- 日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
- 日本内分泌学会 内分泌代謝科専門医・指導医
- 日本肥満学会
